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恭一先輩はクズオブクズだけど人を傷つけたくない人で(明後日の方向ではあるけども)それが垣間見えるのが、今ヶ瀬が仕事で家出人捜索しててその対象者が「死んでました」、って言った後、勝手に出てった今ヶ瀬をいいから入れって家に招き入れるのは、彼を思いやった行動の結果でもあったんだと思う。
きつい仕事をしてるんだなって思ったのが表情にちゃんと出てた。
同情かもしれないけど、そういう思いやりを持てるのは今ヶ瀬に対してだけなんだよ。同情も情だって言ったのは誰だっけか……
お前はオレとは別のところにいる人間だと思った、と言った後、嫌な言い方したって省みてるところ。明らかに今ヶ瀬を傷つけたとわかったんだよね。
先輩は、学生時代から今ヶ瀬を意識してたんだろうなぁ。なんか違う、程度だったかもしれないけど、今ヶ瀬の視線には気づいてた。
この二人の関係性の一番のキーはやっぱり学生時代の先輩後輩ってところだと思う。まぁテニスサークルなんてチャラいのの集まりってイメージだから同じ釜の飯を食ったことで生まれる絆があるとは考えにくいけど(ほんとに個人の勝手なイメージです)自分を慕う後輩が可愛い、それは間違いないと思う。
夏生が指摘したライターの件。
具体的なことは映画では描かれなかったけど、先輩はちゃんと思い出したよね。それを今ヶ瀬にあげたこと。それがちゃんと表情に出てた。
男同士って気楽じゃん。離婚して独り暮らしを始めたマンションに今ヶ瀬が訪ねた時、独り暮らしは気使わなくて楽だって先輩言ったじゃん。結婚してるのにどこか張り詰めてる関係ってしんどくない??素を晒せないってさ。素を晒すことがどういうことかも先輩はわかってなかったんだろうな。
そんなことを頭で考えなくても今ヶ瀬がどんなに纏わりついてきてもうっとおしいと思えば往なせるし、それでも今ヶ瀬は献身的だしとにかく気が楽。……クズだな。
キャッチコピーにあったけど「こういう幸せもあるんだろうか」……あるんだよ!!!!
そんなクズな大伴先輩だけども、結構手ひどく振られてるんだよね。
ちかこには「気持ち悪い」と言われて、夏生にはたたないことを蔑まれ。夏生は原作に比べたら描き方が云々って言われたりもしてるけど、恭一の気持ちが今ヶ瀬にあると多分もう店を出る前から悟ってたと思う。ぐずぐず言ってる先輩に本気で人を好きになったことある?って辛辣に言ったけどその時点で彼女は今ヶ瀬の理解者だと思う。原作と変わらないよ。
どうしてこんな気持ちになるのかわからない。それが恋だよ大伴先輩!!!!!
はーどうして私はこんなことになっているのか笑
あともう好きで好きでたまらない(二人の)二度目の濡れ場について。
絡み合ってた体を起こして自分だけの快楽に身を投じようとする直前でまたキスをする。あれはねーほんとにねーそこに愛情があるからなんだよねとしみじみした。どうにもならない没入感が凄まじいんですよね。
男同士の実写、見たのは片手で足りる数だけど(性の劇薬は見たいと思ってるけど)群を抜いてすっごく生々しいと思う。描写もそうだし音もすごい。耐性なかったらきついだろうなと思うレベル。男女の映画でもあそこまでのって見たことがないし、いやそもそも男女の濡れ場のある映画をほとんど見たことがないんでは……??(しょーねんは別…結局最後まで見れてない)生々しい中にある感情が痛いほどに伝わってくる。これ、実写なんだぜ……???それも天下のアレの人だよ???という俗っぽい感覚はもうとっくにどっかに消えてるけども。
そこまで生々しいのにほんっとーーに美しいんですよね。
最後に手を重ねるシーンの先輩の満ち足りた表情と今ヶ瀬の切ない表情の対比がほんと苦しい。この人婚約してるんですよ……文句なくかわいいお嬢さんと。
はーひどい。
なんでたまきと婚約までしたのかなー。
一旦完全に別れて、でも今ヶ瀬がまだ自分を追っていることに気が付いてて、それでも婚約したのはなんでなんだよおおともきょういち。
誰かをちゃんと愛したかったのか。今ヶ瀬の「あなたじゃダメだ」って言葉に縛られて愛するべき他の誰かを探した結果なのか。
でもさーふとした時にどこかから煙草の匂いが流れてきたりしたら思い出しちゃわない???いや思い出すよね???(うっかり二次創作に走りそうになるわ!!しないけど!)
そんなことを考えながらの帰り路でした。
原作と全然違う、という原作ファンの意見もたくさん見るけど、映画にするっていうのはどういうことなのか、すごく考えちゃうんですよね。
同じものを完璧に作り上げるならアニメしかないと思う。アニメですら声優さんの色が入るし、全く同じものにはならないわけで。でもBL作品でそれを完璧にやって見せてくれたのは囀るなわけだけども。
生身の人間のリアルに落とし込んで2時間の物語を描くなら、それ相応の改変はどうしても必要になると思う。圧倒的にセリフの多い漫画を音と表情だけで表現しようとすれば余計に。
監督さんが、見た人に考えて欲しかった、っていう、それはそれでやっぱり表現するべきでは?と思わなくもないけども(特にカットされたシーンについては繋がりがほんとわかりにくく感じてしまうから。少なくとも一度見ただけではえ?どういうこと?ってなった)
かつて私の中で絶賛の嵐だった図書館戦争でも、原作は後から読んだらやっぱり結構改変されてたし、その流れでなんでその科白が出てくるの??っていうところが一か所あった。後からディレクターズカット版を見たらそこがきれいに繋がってて、なんでカットしたんや……って気持ちになったもの。
まぁそれはさておき。
あああああ面白かった!!!で終われるエンタメ作品とかならどんだけ面白く感じてもここまで何度も見ようとは思わないし、ここまで短期間で見る度新たな発見や感情が生まれる映画に出会ったことがないのでこれは監督のなせる業なのかなぁと思います。
何度見ても見てる間幸せ、でも余韻が苦しい。
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